聴覚障害児の韻律聴取能力と聴覚機能との関係に関する検討

DOI Web Site 参考文献6件 オープンアクセス
  • 喜屋武 睦
    東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科/日本学術振興会特別研究員
  • 濵田 豊彦
    東京学芸大学教育学部特別支援科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between hearing of prosody and auditory function in hearing-impaired children

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抄録

<p>要旨 : 聴覚障害児の韻律の活用とそれに係る聴覚機能 (周波数弁別能及び時間分解能) との関連について検討した。二通りの意味解釈が可能な統語的曖昧文において, 韻律の変化によって統語境界が生じる箇所が変化 (解釈が変化) するよう音声加工を施した韻律聴取課題 (韻律ピッチ課題と韻律ポーズ課題) を設定し, 補聴閾値上 25dBSL で提示しいずれの意味かを指さしで回答させた。また, 聴覚機能として純音を用いて周波数弁別能 (500Hz) と白色雑音を用いて時間分解能を測定した。その結果, 聴覚障害児は時間処理が周波数処理よりも優れている傾向が示された。また, 韻律の活用と聴覚機能 (ピッチ課題と周波数弁別能, ポーズ課題と時間分解能) には有意な相関が示され, 非言語音による弁別力が言語音である韻律の弁別にも寄与することが示唆された一方で, 韻律の活用が聴覚機能のみでは説明できない対象児もいた。今後は, 個々の言語力を含めた観点で検討する必要があるものと考えられた。</p>

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