撥液性表面を利用したスラリー状カプセル原料液からのミリカプセルの作製

  • 武井 孝行
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 高尾 莉央
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 斉藤 卓也
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 田尻 菜満
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻
  • 吉田 昌弘
    鹿児島大学大学院理工学研究科 化学生命・化学工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Fabrication of Millicapsules from Slurry of Ingredient Particles and Monomer Liquid on a Superamphiphobic Surface
  • ハツエキセイ ヒョウメン オ リヨウ シタ スラリージョウ カプセル ゲンリョウエキ カラ ノ ミリカプセル ノ サクセイ

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抄録

<p>本報では,撥液性表面を利用してスラリー状カプセル原料液からミリカプセルを作製することを目的とした.カプセルに内包する有用物質のモデル物質として選択したアセタミプリドとカプセル壁材モノマーであるトリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM)との混合液はスラリー状であり,それを撥液性表面に滴下しても球状の液滴が得られず,結果として球状のカプセルを作製できなかった.そこで,アセタミプリドの良溶媒であり,かつTRIMと相溶性を示す揮発性有機溶媒ジクロロメタン(DCM)をそのスラリーに加えることで均質溶液を得た.その溶液を撥液性表面に滴下したところ,球状の液滴を作製できた.また,その液滴を静置することでDCMを蒸発除去し,それにより得られた球状スラリー液滴中のTRIMを重合させることで,球状のカプセルを作製できた.また,本法により,アセタミプリドを極めて効率よくカプセルに内包でき(内包効率>99%),その高い内包効率によりカプセルにアセタミプリドを高含有させることも可能であった.さらに,両親媒性物質であるポリエチレングリコール(PEG)を含むTRIMをカプセルに塗布後,それを固化させることでカプセルの外表面にコート層を形成したところ,コート層中のPEG濃度によりカプセルからのアセタミプリドの放出速度を制御できることを示した.</p>

収録刊行物

  • 化学工学論文集

    化学工学論文集 46 (1), 8-12, 2020-01-20

    公益社団法人 化学工学会

参考文献 (10)*注記

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