バーヴィヴェーカとヴァルナの平等性

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  • Bhāviveka and the Equality of the Four Castes
  • Bhaviveka and the Equality of the Four Castes

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抄録

<p>Kajiyama (1963)およびde Jong (1990)は,アヴァローキタヴラタ(8世紀頃)がPrajñāpradīpaṭīkāにおいてヴァルナ制(「カースト」制)を容認する意図をもって『マヌ法典』の引用を行う,例外的な仏教徒だとする.さらにこれらの研究は,このアヴァローキタヴラタによる注釈をもとに,Prajñāpradīpaの著者バーヴィヴェーカ(6世紀頃)も,アヴァローキタヴラタと同様,ヴァルナ制に対して肯定的な立場であったと見なしている.近年,これらの解釈に対し,高橋(2011)およびNishiyama (2012)は,アヴァローキタヴラタがヴァルナ制に対する否定的な意味合いで『マヌ法典』を引用しているという論考を提示している.しかしながら,これまでの研究では,Tarkajvālāというバラモンの優越性に対して明確に批判を行うバーヴィヴェーカの著作が扱われていない.そこで本稿は,Tarkajvālā中に示される,ヴァルナ制に対するバーヴィヴェーカの立場に関する,新たな資料を提示する.さらにそれにもとづき,バーヴィヴェーカも,この社会的階級制度に対して,仏教思想の伝統的見解に従っていたことを明らかにする.</p>

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