Maṇḍanamiśraによる<i>Mīmāṃsāsūtra</i> 1.2.40を巡る議論

  • 斉藤 茜
    JSPS Overseas Research Fellow, EFEO Pondicherry, PhD.

書誌事項

タイトル別名
  • Maṇḍanamiśra and <i>Mīmāṃsāsūtra</i> 1.2.40
  • Mandanamisra and Mimamsasutra 1.2.40

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抄録

<p>マンダナミシュラ(7~8世紀)は,ミーマーンサーの伝統を重んじながらも,ウパニシャッドの価値を積極的に肯定することで彼に先行するミーマーンサー学者たちから距離を置いた.彼にとって伝統的なミーマーンサーの教義がどのような価値を持っていたかは,未だ解明の余地を多く残す.本稿では,彼の著作であるVidhiviveka (VV)において一度,Brahmasiddhi (BS)において三度,合計四度引用されるMīmāṃsāsūtra (MS) 1.2.40が,マンダナによってどのように理解され,そしてどのように彼の議論に応用されたのかを検討する.MS 1.2.40は,MS 1.2.31–1.2.39で列挙される「マントラは無意味である」とする反対意見とその根拠に対する応答である.この応答,つまり「マントラは有意味である」という見解を,マンダナが大いに自説の拠り所にしたと考えられるシャバラ註の説明に従いながら俯瞰し,その上でVV, BSでの応用の仕方を探る.いずれの場合でもマンダナは,この議論をウパニシャッドに応用していくが,その際「自派ヴェーダ学習命令」(svādhyāyādhyayanavidhi)の役割をどう理解し,そしてどのように正当化するのかという問題が,隠れたもう一つの主題となる.二つの問題の関係性を明らかにすることを,本稿のもうひとつの目的とする.</p>

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