含嗽の細菌付着上皮細胞の除去作用に関する研究

  • 黒野 祐一
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 井内 寛之
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 山下 勝
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Gargling on the Removal of Oral Epithelial Cells with Adherent Bacteria
  • ガンソウ ノ サイキン フチャク ジョウヒ サイボウ ノ ジョキョ サヨウ ニ カンスル ケンキュウ

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説明

<p> 含嗽の洗浄作用に加えて口腔内の細菌付着上皮細胞の除去作用を明らかにすることを目的として, 水道水で含嗽したのち, 含嗽液中の粘膜上皮細胞数ならびに粘膜上皮細胞に付着した細菌数を計測した. さらに, 精製水, アズレンスルホン酸ナトリウム含嗽液 (アズレン含嗽液), ポビドンヨード含嗽液で含嗽し, その3時間後に採取した頬粘膜擦過上皮細胞に付着する細菌数を計測し比較した. その結果, 水道水による含嗽液中には数多くの細菌が付着した粘膜上皮細胞を認め, 含嗽を3回繰り返し行うごとに, 含嗽液中の上皮細胞数およびそれに付着する細菌数は有意に減少した. また, 精製水とアズレン含嗽液による含嗽3時間後に頬粘膜を擦過し得られた上皮細胞には多くの細菌の付着が認められたが, ポビドンヨード含嗽液ではその数が有意に少なかった. 以上の所見から, 含嗽は細菌が付着した上皮細胞を除去する作用を有していることが証明され, そのことに留意して含嗽を行えば含嗽の効果が増すと推測される. さらに, 含嗽の数時間後には口腔内で増殖した細菌が粘膜上皮細胞へ再度付着し, ポビドンヨード含嗽液はその殺菌作用によってそれを強力に阻止することが示された. しかし, ポビドンヨード含嗽液は正常細菌叢の破壊や粘膜組織の傷害が問題となるため, これらの弊害がなく細菌の付着を抑制できる新たな含嗽薬の開発が望まれる.</p>

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参考文献 (8)*注記

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