「ウェルビーイング」の理念と教育的課題―OECD の議論を中心として―

DOI 機関リポジトリ オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • The Idea of Well-being and Its Implications on Education: A Reexamination on OECD Projects

この論文をさがす

説明

「ウェルビーイング」は,2030 年を目途に経済協力開発機構(以下,OECD)や国際連合が掲げる世界的開発目標であり,国際社会において共有された重要な理念と呼んでよい。しかしながら,その理解や解釈は複雑で,実現の方法も多岐に渡っている。本研究では,OECD の議論を参考にウェルビーイングの意味とグローバルな目標について整理を行った上で,日本の中央教育審議会(以下,中教審)におけるウェルビーイングに関する議論を国内の教育的課題として取り上げる。  この理念が提唱された時代と,コロナ禍を経験した今日との違いは,ひとつに新型感染症による社会的リスクの顕在化が挙げられる。次に,加速度的に進んだインターネット技術等による人々の関係性やSNS 等による新たなコミュニティの創出が挙げられる。前者は社会的で公共的な基盤を幅広く支える政府の積極的な役割を求める一方で,後者は「市民性(citizenship)」に基づく価値観が急務とされる。ウェルビーイングに対する理解は国や地域によって様々であるが,その実現は政府や民間組織,地域社会やコミュニティの協力関係に委ねられている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ