原材料と焼成温度の異なるバイオ炭の酸化処理が土壌からの一酸化二窒素放出に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of oxidation treatment of biochars derived from different raw materials and pyrolysis temperatures on nitrous oxide emission from soil
- ゲン ザイリョウ ト ショウセイ オンド ノ コトナル バイオタン ノ サンカ ショリ ガ ドジョウ カラ ノ イッサンカ ニ チッソ ホウシュツ ニ オヨボス エイキョウ
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説明
<p>土壌からの一酸化二窒素(N2O)放出を抑制する方法としてバイオ炭の土壌施用が注目されているが,バイオ炭が土壌中で経年変化するとN2O放出抑制効果が衰えることが報告された.しかし,バイオ炭の原材料の違いや焼成条件が経年変化およびN2O放出抑制効果に与える影響を調べた研究はみあたらない.そこで本研究では,ヤシガラ,モミガラを500°Cまたは800°Cで焼成したバイオ炭について,経年変化を模した酸化処理を施し,脱窒由来のN2O放出抑制効果および表面官能基,構成元素に及ぼす影響を調べた.</p><p>バイオ炭(酸化処理無)はいずれもN2O放出抑制効果を示した.同一の焼成条件で比較すると,ケイ素含量が少ないヤシガラでより効果がみられた.また,同一の原材料で比較すると,表面官能基が少ない800°C焼成バイオ炭でより効果がみられた.800°C焼成では,酸化処理によって,いずれの処理でもN2Oの還元を阻害するC=O(カルボキシル基,カルボニル基)のピークは変化せず,官能基の変化もみられなかった.このことが高いN2O放出抑制効果の一因と考えられた.一方,500°C焼成バイオ炭では,酸化処理によってC=Oが増加し,N2O放出量が増大した.以上,高温焼成バイオ炭では,脱窒由来のN2O放出抑制効果が長期間継続することが示唆された.</p>
収録刊行物
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- 日本土壌肥料学雑誌
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日本土壌肥料学雑誌 94 (4), 245-253, 2023-08-05
一般社団法人 日本土壌肥料学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390015897167436032
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- NII書誌ID
- AN00195767
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- ISSN
- 24240583
- 00290610
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- NDL書誌ID
- 033005540
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可