没入型VR体験における自己の身体と記憶
書誌事項
- タイトル別名
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- Memory and body in immersive virtual reality
- : Manipulation of body synchronization through virtual hand illusion
- :バーチャルハンドイリュージョンによる身体同期の操作
説明
我々の日常的な視覚体験には,あまり意識はされないものの,自分の腕などの身体の一部が視野内に存在している。没入型VR空間での体験でも,自分の身体の一部がVR空間中に存在することで,VR空間内で偶発学習したものに関する記憶成績が向上するという知見がある。そのような現象の背景には,実際の身体運動とVR内での視覚体験との同期によって記憶が強化されている可能性が想定される。本研究では先行研究の部分的な追試に加え,VRハンドイリュージョンを利用して身体同期の程度を操作する実験を行った。すなわち,VRハンドイリュージョンを生じさせた後に学習をした同期促進群とVR空間中の視覚体験と身体状態のズレを意識させた後に学習をした同期妨害群の記憶成績を比較した。その結果,同期妨害群に比べ同期促進群において記憶成績が有意に高くなった。この結果は,身体情報の視覚的フィードバックが記憶形成において重要な役割を担っている可能性を示唆している。
収録刊行物
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- 日本認知心理学会発表論文集
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日本認知心理学会発表論文集 2024 (0), 65-65, 2024
日本認知心理学会