フッ化物洗口における費用対効果の再検証

  • 廣島屋 貴俊
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科発生発達成育学講座予防歯科学分野 鹿児島県口腔保健支援センター
  • 栗野 孝子
    鹿児島県口腔保健支援センター
  • 川越 佳昭
    鹿児島県口腔保健支援センター 鹿児島県歯科医師会
  • 玉木 直文
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科発生発達成育学講座予防歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Reexamining the Cost-effectiveness of Fluoride Rinsing
  • フッカブツセングチ ニ オケル ヒヨウ タイ コウカ ノ サイケンショウ
公開日
2025
DOI
  • 10.5834/jdh.75.3_149
公開者
一般社団法人 口腔衛生学会

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説明

<p> フッ化物洗口はう蝕を集団的に予防する費用対効果に優れた手法である.しかしながら,フッ化物含有歯磨剤や歯科保健教育の普及により学齢期のう蝕は減少傾向にあり,近年における歯科医療費の抑制効果は定かではない.本研究では,鹿児島県43市町村を対象に平成29年度および令和元年度,3年度におけるフッ化物洗口の実施人数と一人当たりの年間平均歯科医療費の関連を調査した.分析にあたっては年度の違いによる繰り返しデータをレベル1,市町村の違いをレベル2とする2段階構成とみなし,マルチレベルによる階層的重回帰分析にて検討した.目的変数を県民一人当たりの年間平均歯科医療費,説明変数をフッ化物洗口合計実施人数とした回帰モデルの傾きは,5~9歳の歯科医療費において-0.21,15~19歳においては-0.45と有意な負の相関が認められた.上記モデルから算出したフッ化物洗口実施による歯科医療費推定軽減額はおよそ1億円であり,鹿児島県全体の歯科医療費を4.3%抑制していた.さらにA市のフッ化物洗口事業予算から費用便益比を算出したところ,便益比は12:1であり依然として高い費用対効果が確認された.本研究結果から,う蝕が減少傾向にある現代においても,医療経済的にフッ化物洗口が推奨される可能性が示唆された.</p>

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