自治体職員の語りにみる「復興」という名辞のミスノマー

書誌事項

タイトル別名
  • “Fukkō” (“Reconstruction”) as a Misnomer in Municipal Employees’ Narratives
  • 福島第一原発事故後の被災地自治体
  • A Disaster-Affected Municipality after the Fukushima Daiichi Nuclear Disaster
公開日
2026
DOI
  • 10.24525/jaqp.25.1_112
公開者
日本質的心理学会

説明

本研究は,福島第一原発事故後の被災地自治体の職員の語りを二次分析し,「復興」という名辞のミスノマー性について検討した。日本語の「復興」はしばしば「被災前の町に元通り戻すこと」を含意するが,被災地では人口構成や生業,行政機能などが不可逆的に変容しており,実際の課題は復元ではなく再編であると考えられる。本研究では,避難区域に指定されたA町の自治体職員8名(事故前入職4名,事故後入職4名)への半構造化インタビュー逐語録をオープンコーディングし,町や復興に関するラベルを抽出・統合して,人々がいかに復興を捉え,向き合っているのかをまとめた。その結果,「昔の町の希望と変わってしまった今」「町の再興の難しさ」「不全感の受容と前向きさ」という3つの段階が示された。参加者は,過去の町への強い愛着と復元への希求を抱きつつも,制御し得ない変化の大きさを前に,目標を修正し,達成し得る再編へと実務的に折り合いをつけていた。これらの知見から,復興を指示する名辞が復元を想起させる限りにおいても,復興政策の立案と評価においては,再編としての復興を明示し,有限で具体的な目標設定を行う必要性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390026271644964352
  • DOI
    10.24525/jaqp.25.1_112
  • ISSN
    24357065
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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