東海・沖縄地域の非沖積土壌の母材と元素の地球化学的研究

  • 寺島 滋
    産業技術総合研究所地球科学情報研究部門:(現)地質情報研究部門
  • 太田 充恒
    産業技術総合研究所地球科学情報研究部門:(現)地質情報研究部門
  • 岡井 貴司
    産業技術総合研究所地球科学情報研究部門:(現)地質情報研究部門
  • 今井 登
    産業技術総合研究所地球科学情報研究部門:(現)地質情報研究部門
  • 御子柴(氏家) 真澄
    産業技術総合研究所地球科学情報研究部門:(現)地質情報研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Geochemistry of elements and parent materials of non-alluvial soils from Tokai and Okinawa districts, Japan
  • トウカイ オキナワ チイキ ノ ヒチュウセキ ドジョウ ノ ボザイ ト ゲンソ ノ チキュウ カガクテキ ケンキュウ

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説明

東海・沖縄地域で採取した非沖積土壌の母材の起源と土壌化に伴う元素の地球化学的挙動を研究した.柱状試料における元素等の鉛直分布の特徴として,TOC, TS, Sb, Bi, Pb, Cd, Sn, Hg等は土壌の表層で高濃度を示すが,母材の風化や人為的な汚染では説明できず,生物濃縮の影響が考えられた.植物試料の分析を実施した結果,いくつかの重金属等元素が生物濃縮の影響を受けることが判明した.もし,アジア大陸起源の広域風成塵の影響が大きい場合,土壌の化学組成はどの地点でも類似の組成を示すと考えられる.しかし,土壌の化学組成は試料の採取地点毎に異なっており,むしろ,火成岩類,堆積岩類,堆積物等の地殻物質が風化して形成された土壌母材の化学組成に類似する.したがって,広域風成塵の影響はさほど大きくない.地殻表層に供給される土壌母材としての再移動地殻起源物質,海塩,植物関連物質,広域風成塵等の量と,土層の堆積速度を比較した結果,両者は一致せず,土壌化に伴って地表物質が流出すると考えられた.そこで,岩石や堆積物の粉末試料から水に抽出される元素を測定した結果,Si, Al, Ti, Fe等を含めてすべての元素が溶存態,懸濁態等として移動・流失することが判明した.

収録刊行物

  • 地球科学

    地球科学 58 (5), 317-336, 2004

    地学団体研究会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (58)*注記

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