当科で経験した悪性腫瘍を合併した成人アナフィラクトイド紫斑の 6 例と 非合併例 13 例との比較

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タイトル別名
  • A Comparative Study of Adult-onset Anaphylactoid Purpura Associated with Malignancy and without Malignancy
  • 統計 当科で経験した悪性腫瘍を合併した成人アナフィラクトイド紫斑の6例と非合併例13例との比較
  • トウケイ トウ カ デ ケイケン シタ アクセイ シュヨウ オ ガッペイ シタ セイジン アナフィラクトイド シハン ノ 6レイ ト ヒガッペイレイ 13レイ ト ノ ヒカク

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抄録

悪性腫瘍を合併する成人発症のアナフィラクトイド紫斑 (以下 AP) は知られているが,悪性腫瘍を合併しない例との違いについて検討した報告はあまりない。今回,我々は 2004 年から 2012 年までの 9 年間に当科で成人発症の AP と診断した 19 例を悪性腫瘍の合併の有無で 2 群に分け,臨床所見,検査所見,治療経過を比較した。悪性腫瘍合併群 (A 群) は 6 例で,非合併群 (B 群) は 13 例であった。A 群に合併する悪性腫瘍はすべて固形腫瘍で,AP の発症が悪性腫瘍と同時ないしそれに先行したのは 3 例 (50%) であった。臨床所見では,先行感染症状,関節痛,消化器症状や下肢を超える皮疹の分布の有無については,両群間で有意差はなかった。検査所見では,腎機能障害は B 群で 13 例中 2 例(15.4%)であるのに対して,A 群では 6 例中 4 例 (66.7%) と有意に多かった (P<0.05)。ASO 値,血清 IgA 値は両群間で有意差はなかった。治療経過では,A 群で腎機能障害に起因するステロイドの全身投与が多く行われた。成人発症の AP を診た際は,悪性腫瘍の合併について留意し,特に合併例では腎機能障害の頻度が高いことから,注意深い経過観察が望ましいと考える。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 76 (5), 487-492, 2014

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (13)*注記

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