壁外性発育による皮下膿瘍を初発症状としたS状結腸癌の1例

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  • A Case of Extra Growing Sigmoid Colon Carcinoma with Abdominal Wall Abscess

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抄録

大腸癌が壁外性に発育し皮下膿瘍を形成する症例は稀である.今回われわれは通過障害を伴わずに皮下膿瘍を形成したS状結腸癌の症例を経験したので報告する.症例は74歳,女性.以前から左下腹部に腫瘤を自覚し,その直上の皮膚に発赤と膨隆を認め,中心部の皮膚に壊死・潰瘍を認めた.腹部CT検査では骨盤内の腫瘤と連続する皮下膿瘍を認めた.大腸内視鏡検査ではS状結腸下行結腸移行部近傍のS状結腸に全周性の狭窄を認め,内視鏡は通過できなかった.生検でGroup 5,腺癌の結果であった.皮膚膿瘍の切開排膿後68日目にS状結腸切除(D3)および浸潤のみられた腹壁と皮膚の合併切除を施行した.病理組織学的には,腫瘍は漿膜を超えて腹横筋近傍まで浸潤,周囲に膿瘍形成が確認されたが,術後10カ月の現在再発なく経過している.

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参考文献 (1)*注記

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