顔面外傷治療後上口唇変形をきたした1例に対する治療経験

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タイトル別名
  • Treatment of Posttraumatic Upper Lip Deformation:A Case Report

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説明

唇裂術後変形様の外傷性上口唇変形をきたした成人男性1例の治療を経験した。症例は,40歳,男性。飲酒後,自転車乗車中,転倒し,左上口唇の裂挫創をきたし,同日近医に救急搬送され,縫合処置を受けた。その後,瘢痕拘縮を伴う上口唇変形を主訴に,受傷4カ月目当科紹介初診となった。初診時所見は,左赤唇の鼻孔部への挙上偏位,左キューピット弓の消失,左白唇の短縮を認めた。創跡およびその周囲組織の瘢痕拘縮が著明であったため,トラニラスト内服とマイクロポアテープ固定療法の初期治療を行い,受傷6カ月目に手術を施行した。手術は,口唇裂形成術で用いられるCronin法に準じる方法で,口唇形成術を施行した。術後1年目現在,赤唇および白唇の形態は概ね良好である。以上のことから,唇裂術後変形様の外傷性上口唇変形をきたした症例に対し,Cronin法は有用な方法の一つであると考える。

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