3D内視鏡システムを用いて横隔膜縫縮術を施行した横隔膜弛緩症の1例

  • 鍵本 篤志
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科
  • 三村 剛史
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科
  • 宮本 竜弥
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科
  • 山下 芳典
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Three-dimensional complete VATS diaphragmatic plication for diaphragmatic eventration

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説明

<p>症例は68歳女性.20年以上前から胸部レントゲンで左横隔膜挙上を指摘されていた.1年前から労作時呼吸苦を自覚,徐々に増悪するため当科紹介となった.胸部レントゲン・CTでは左横隔膜の挙上および腹腔内臓器の頭側への偏位を認めた.呼吸機能検査ではVC 1.58 L,%VC 66.7%と拘束性換気障害を認めた.全横隔膜弛緩症と診断し,有症状であったため手術を行った.3D内視鏡システムを用いた完全胸腔鏡下に,横隔膜を腹側に圧排しながら前内側から後外側に向けてU字縫合8針で横隔膜を縫縮した.術後,呼吸器症状は改善し,術後3ヵ月の呼吸機能検査においてもVC 2.30 L,%VC 97.5%まで改善した.</p><p>近年,本疾患に対する標準術式と考えられつつある胸腔鏡下横隔膜縫縮術だが,本術式のような立体感覚が必要な縫合操作等の手術手技を伴う完全鏡視下手術には3D内視鏡システムの使用が極めて有用と考えられた.</p>

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