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- 萩原 佑亮
- 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 Japanese Emergency Medicine Research Alliance (JEMRA)
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- 長谷川 耕平
- マサチューセッツ総合病院ブリガム&ウィメンズ病院,ハーバード救急医学レジデンシー Japanese Emergency Medicine Research Alliance (JEMRA)
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- 渡瀬 博子
- オレゴン公衆衛生大学院疫学・生物統計学専攻 Japanese Emergency Medicine Research Alliance (JEMRA)
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- 千葉 拓世
- 公立小浜病院救命救急センター Japanese Emergency Medicine Research Alliance (JEMRA)
書誌事項
- タイトル別名
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- Residency and career satisfaction among ER-style emergency medicine residents in Japan
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説明
背景と目的:社会的需要の高まりとともにER型救急医療を提供する施設が増加し,日本救急医学会ER検討委員会より「ER型救急専門医を育成するための後期研修プログラム」が提示された。しかし,救急関連の学会にて研修に関する問題点が発表されながらも,その実態を記述した研究はまだない。本研究では,ER型救急医を目指す後期研修医の職業満足度と研修満足度を調査し,各々に影響を与える因子を明らかにすることを目的とした。対象と方法:救急医としての職業満足度や研修満足度に関する質問票を作成し,2010年2月に無記名アンケート調査を行った。結果:回収率は100%,解析対象者は67名(男57名,女10名)であった。因子分析の結果,満足度を規定する因子として,労働環境因子,ストレス軽減因子,院内研修体制因子,指導教育因子の4因子を抽出した。高い職業満足度ありは45名(67.2%),高い研修満足度ありは34名(50.7%)であった。ロジスティック回帰分析の結果,高い職業満足度はストレス軽減因子のみ5%水準で有意に関連した(Odds比3.0, 95%信頼区間:1.2-8.6)。高い研修満足度は院内研修体制因子のみ有意に関連した(Odds比2.9, 95%信頼区間:1.2-8.4)。他科への転向を考えている後期研修医は19名(28.8%)であった。χ2検定の結果,高い職業満足度を得られない群は,他科への転向の意思が有意に高かった(Odds比5.1,95%信頼区間:1.6-16.0)。一方,高い研修満足度と他科への転向の意思では有意差が認められなかった(Odds比1.7, 95%信頼区間: 0.6-5.0)。結語:研修満足度を高めるには研修環境を整えること,職業満足度を高めるには業務上のストレスを軽減させることが重要であった。また,高い職業満足度が得られなければ,救急医を確保できないことが示唆された。
収録刊行物
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- 日本救急医学会雑誌
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日本救急医学会雑誌 21 (11), 889-898, 2010
一般社団法人 日本救急医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679346573056
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- NII論文ID
- 10029086423
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- NII書誌ID
- AN10284604
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- ISSN
- 18833772
- 0915924X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可