ポリ(塩化ビニル)の光酸化におよぼず安定剤熱処理の影響

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タイトル別名
  • The Effect of Preheating on Photooxidatiori of Poly(vinyl chloride) Compound
  • The effect of preheating on photooxidation of poly(vinyl chloride) compound.

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ポリ(塩化ビニル)に,代表的な熱安定剤であるステアリン酸金属塩,有機スズ化合物を加えて光にさらした場合の樹脂に対する安定化効果が熱処理の有無でどのように変わるかをウェザーメーターを用いて調べた。また,熱処理のあった場合,安定剤のラジカル発生量,ラジカル種はどうなるかを電子スピン共鳴法を用いて検討した。<BR>樹脂に配合後,熱処理を与えられたステアリン酸金属塩系安定剤は,その後の光暴露に対し安定化効果を示さなくなり,かえって劣化速度を早める。一方,有機スズ化合物では,熱処理によって逆に安定化効果が増すようになる。またこれら両系では,熱処理後の光照射によって生成するラジカルに差が認められた。すなわち,ステアリン酸金属塩安定剤では,光照射により生じるラジカルは,熱処理の有無によって大きく異なっている。有機スズ系化合物の場合は,光照射によって生じるラジカルと熱処理後に生じるラジカルは,まったく同一のもので,その生成量にだけ大きな差が生じる。この同一ラジカルで発生量が大きくなったものは,光安定化効果が熱処理によって向上される。

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