イリジウムおよびルテニウム塩化物の熱分解挙動

  • 神谷 信行
    横浜国立大学工学部物質工学科エネルギー工学教室
  • 星野 謙一
    横浜国立大学工学部物質工学科エネルギー工学教室
  • 太田 健一郎
    横浜国立大学工学部物質工学科エネルギー工学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Thermal Decomposition of Iridium and Ruthenium. Chlorides

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説明

貴金族金属被覆電極を熱分解法で作製するための基礎的知見を得るため, イリジウムの塩化物である三塩化イリジウム, 四塩化イリジウム, ヘキサクロロイリジウム酸またルテニウムの塩化物である三塩化ルテニウムおよびそれらのアルコール溶液の熱分解挙動を TG, DTA, X 線回折などによって調べた。ヘキサクロロイリジウム酸は H2IrCl6・6H2O→IrCl4→IrCl3→Ir→IrO2→Ir と反応が進むが, 別途用意した IrCl4 を熱分解すると H2IrCl6・6H2O からの IrCl4 と異なった分解過程を示し, わずかな結晶状態の違いも分解に影響を与えることがわかった。<BR>1-ブタノール (n-BuOH) のようなアルコールを加えると H2IrCl6 の分解温度はいちじるしく低下し, 500℃ 以下で Ir に, また 500℃ 以上で IrO2となった。空気中で RuCl3 からはアルコールのある,なしにかかわらず Ru は得られずに 500℃ 以上で直接 RuO2が生成した。Ar 中で RuCl3 のアルコール溶液を加熱すると容易に Ru が得られた。

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