酢酸カリウムと炭酸カリウムおよび高圧一酸化炭素からマロン酸カリウムを生成する反応の速度論的研究

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タイトル別名
  • Kinetic Study of Potassium Malonate Synthesis from Potassium Acetate, Carbonate and Carbon Monoxide under Pressure

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説明

高圧一酸化炭素下における酢酸カリウムと炭酸カリウムとからマロン酸カリウムを生成する反応を溶融ギ酸カリウム溶液中で速度論的に検討した。その結果マロン酸カリウムの生成初速度は,一酸化炭素圧力および酢酸カリウム/炭酸カリウム充テンモル比にそれぞれ一次であった。<BR>一方,炭酸カリウムと一酸化炭素はマロン酸カリウム生成条件下(250℃以上)で反応し,水でギ酸カリウムおよび酸性炭酸カリウムとに分解するある種の錯合体を生成する。さらに本反応は,マロン酸カリウムおよびギ酸カリウムの添加により影響を受けない。<BR>これらの結果から,まず炭酸カリウムと一酸化炭素から錯合体が生成しこれが平衡状態にあり,つぎにこの錯合体が酢酸カリウムと反応してマロン酸カリウムおよびギ酸カリウムとなるという機構を提出した。<BR>この初速度式は実験結果をよく表現している。錯合体生成反応の見かけの平衡定数K'および本反応の速度定数kは265,280,300℃において,K'=2.125, 3.874, 6.801×10-4(kg/cm)-1およびk=3.192, 3.788, 4.450×10-2min-1であった。また本反応の見かけの活性化エネルギーは26kcalであり,錯合体の生成熱(CO,K2CO3の溶解熱含む)は19kcalであった。

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