牛の血中シアル酸およびムコ蛋白の測定法と臨床応用

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タイトル別名
  • Determination and Clinical Evaluation of Sialic Acid and Mucoprotein in Bovine Blood
  • ウシ ノ ケッチュウ シアルサン オヨビ ムコ タンパク ノ ソクテイホウ ト

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説明

牛の血中シアル酸を酵素法, レゾルシノール法, エーリッヒ法, チオノミルビツール酸法, ヘス法でそれぞれ測定したところ, すべての方法間に良好な相関性を認めた.酵素法で測定した健康成牛136頭の血中シアル酸の平均値± 標準偏差は51.6±7.6mg/dlで, Coomassie Brillians Blue-G250法によるムコ蛋白濃度の平均値は111.3±33.4mg/dlであった.新生子牛138頭のシアル酸濃度は生後14日, ムコ蛋白濃度は生後35日まで成牛より高い値を示した.食肉センターや野外で診断された各疾患牛206頭のシアル酸濃度とムコ蛋白濃度は, 健康牛にくらべて膿毒症, 疣状心内膜炎で著明に高い値を示した.ついで肝膿瘍, 腎炎, 関節炎や乳房炎も高い値を示したが, 肝蛭症, 膀胱炎などでは健康牛とほぼ同じ濃度であった.また, 開腹手術後から治癒時までのシアル酸とムコ蛋白の変動は一定のパターンを示した.以上のことから, 血中シアル酸やムコ蛋白は牛の炎症性疾患の診断や手術の経過観察の指標になると思われた.

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