臨床症状を来した副心臓枝の2症例

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タイトル別名
  • Two Cases of Symptomatic Accessory Cardiac Bronchus

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背景.副心臓枝は,稀な気管支異常であり,多くは他の胸腔内病変の精査中に偶然発見される.しかし,時に血痰や反復感染などの原因となることが報告されている.今回,臨床症状を来した副心臓枝の2症例を経験したため報告する.症例1.62歳男性.血痰を主訴に当院を受診した.気管支内視鏡検査にて,副心臓枝を認めた.その開口部に血液の貯留を認め,周囲粘膜に発赤・腫脹を伴っていたことなどから,副心臓枝に生じた炎症が血痰の原因であると考えた.保存的治療で軽快した.症例2.61歳男性.前胸部痛,発熱を主訴に受診した.胸部CTおよび気管支内視鏡検査の所見より,副心臓枝から縦隔側へ広がった縦隔膿瘍と診断した.抗菌薬投与にて治癒し,以後も再燃なく経過している.結論.副心臓枝は稀ではあるが,時として臨床症状の原因となりうるため,臨床医がこの気管支異常を認識しておくことは重要と考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 31 (4), 202-206, 2009

    日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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