難治性中耳炎症状を呈するANCA陽性症例の疫学調査と診断基準の問題点に関する検討

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  • Epidemiological study of ANCA-positive patients with refractory otitis media-like symptoms and implications for diagnosis of on MPO-ANCA-associated refractory otitis media

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抄録

近年、難治性中耳炎症状を呈するANCA陽性症例の報告が増加している。これらの症例の中には、ANCA関連血管炎であるGPA、MPA、EGPAの診断基準を満たさず、2011年に我々が提唱した感音難聴と顔面神経麻痺を示すMPO-ANCA関連中耳疾患 (以下、MPO-ANCA関連中耳疾患) が含まれる。<br>今回我々は、難治性の中耳炎症状を呈するANCA陽性症例において、MPO-ANCA関連中耳疾患とANCA関連血管炎であるGPA、MPA、EGPAとの関係を明らかにする目的で、近畿と四国の関連病院25施設にアンケート調査を行い、17例の回答を得た。この17例は、診断基準に基づいてGPAとMPO-ANCA関連中耳疾患の2疾患に診断できた。さらに、仮にGPAの診断基準にMPO-ANCA陽性を追加すると、全例がGPAと診断できることが分った。全身型GPAにはMPO-ANCA陽性の症例も存在することから、難治性の中耳炎症状を呈するMPO-ANCA陽性でPR3-ANCA陰性のMPO-ANCA関連中耳疾患は、病理組織検査では血管炎の所見が得られないものの、疫学研究結果からは限局型GPAに含まれると考えられた。

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