左顎関節内木片異物の1幼児例

  • 松久保 眞
    鹿児島市立病院小児外科 宮崎大学附属病院外科学講座消化管・内分泌・小児外科
  • 野口 啓幸
    鹿児島市立病院小児外科
  • 中目 和彦
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
  • 家入 里志
    鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Wooden Foreign Body in the Left Jaw Joint in an Infant: A Case Report
  • 症例報告 左顎関節内木片異物の1幼児例
  • ショウレイ ホウコク ヒダリ ガク カンセツ ナイ モクヘン イブツ ノ 1 ヨウジレイ

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説明

<p>症例は1 歳7 か月女児.夕食後,木製の箸を手に把持した状態で転倒した際に,箸先端が左頬部に刺さった.母親が可及的に刺さった箸を抜去した後に当院救急センターを受診した.箸の先端は約1.5 cm 破損し,その所在は不明であったが,単純X 線検査と超音波検査では異物の残存は同定できず経過観察となった.しかし2 日後に発熱,食欲不振が出現したため再診した際に,CT 検査を施行したところ左顎関節周囲に高吸収域を認め,異物の残存が疑われた.3 次元再構築したCT 画像(以下3D-CT)により左顎関節内に残存する木片異物の正確な位置と形状を特定し,全身麻酔下の手術で木片を除去することができた.術後に軽度の顔面神経麻痺を認めたが軽快し,術後7 日目に退院となった.木片異物はX 線透過性が高いため単純X 線検査では見逃される可能性がある.異物の残存が否定できない場合はCT 検査まで行い,3 次元構成により確認することが必要であると考えられた.</p>

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