腫瘤形成性虫垂炎に対するinterval appendectomyの限界 : Dropout症例の傾向と対策

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タイトル別名
  • Limitation of the Interval Appendectomy for Appendiceal Mass : A Tendency and the Measures of the Cases That Dropped Out for Conservative Treatment
  • 腫瘤形成性虫垂炎に対するinterval appendecromyの限界--Dropout症例の傾向と対策
  • シュリュウケイセイセイ チュウスイエン ニ タイスル interval appendecromy ノ ゲンカイ Dropout ショウレイ ノ ケイコウ ト タイサク

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説明

【目的】われわれは腫瘤形成性虫垂炎に対しinterval appendectomy(以下,IA)を行ってきた.しかし,途中で緊急手術となるdropout症例を経験したので,これらdropout症例の傾向を見いだし,IAの初回保存治療の限界について検討した.【対象と方法】2007年2月から2010年7月に入院加療した虫垂炎症例のべ164例中,手術症例126例のうちIA群11例(C群)とdropout群3例(D群)の2群間の入院時と治療開始後の体温,血液生化学所見の変化,初診時の腹部超音波検査での虫垂短軸最大径などについて検討した.【結果】入院時の体温・白血球数・CRP・虫垂短軸最大径では2群間に統計学的有意差は認めなかった.しかし,治療開始前の白血球数の値を100%とした場合,白血球数の値は治療開始後72時間でC群53.61±16.34%,D群87.20±18.18%.96から120時間後でC群37.03±9.45%,D群105.45±19.16%と,C群に比べD群の減少が低かった(p<0.05).また,CRP値も同様に治療開始前のCRP値を100%とした場合,治療開始後72時間でC群86.06±163.33%,D群204.83±259.95%.96から120時間後でC群21.66±27.15%,D群47.10±4.10%と,C群に比べD群の減少が低かった(p<0.05).【結論】治療開始後72から96時間以上経過しても臨床症状や検査所見が改善しない場合,特に治療開始後の白血球数やCRPの減少率が低い場合は,保存的治療継続が困難であると判断し手術療法に治療方針を変更すべきであると考える.

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参考文献 (16)*注記

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