過敏性腸症候群患者の治癒プロセスに関する質的研究

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  • 河西 ひとみ
    赤坂溜池クリニック
  • 辻内 琢也
    早稲田大学大学院人間科学学術院
  • 藤井 靖
    国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所心身医学研究部 早稲田大学人間総合研究センター
  • 野村 忍
    早稲田大学大学院人間科学学術院

書誌事項

タイトル別名
  • Qualitative Study of the Healing and Recovery Process of Patients with Irritable Bowel Syndrome
  • 過敏性腸症候群患者の治癒プロセスに関する質的研究 : 複線径路等至性モデルによる検討
  • カビンセイ チョウ ショウコウグン カンジャ ノ チユ プロセス ニ カンスル シツテキ ケンキュウ : フクセン ケイロ トウ シ セイ モデル ニ ヨル ケントウ
  • —複線径路等至性モデルによる検討—

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抄録

<p>本研究は, 過敏性腸症候群 (IBS) の軽快・治癒プロセスを明らかにすることを目的とし, 主観的に軽快・治癒に至った7名のIBS患者にインタビューを行った. 分析には質的研究法の複線径路等至性モデル (Trajectory Equifinality Model : TEM) を使用した. 結果, プロセスは3型に分けられ, すべての型が ｢IBS症状の発現｣ から ｢とらわれ｣, 次に ｢対処行動｣ と ｢IBS症状の一部軽快｣ に至るまでは同じ径路をたどったが, 以降の径路は ｢環境調整｣ と ｢心理的葛藤に直面｣ に分岐した. 分岐後は, いずれの径路を選択した型も, サポート資源を受け取ることによって, すべての型において ｢受容的諦め｣, ｢人生観の変化｣, ｢IBS体験への肯定的意味づけ｣ という認知的変容体験を経て, 主観的な軽快・治癒に至った. また, 7例中3例において, 他者からの受容・共感と, 変化への圧力の相補的な働きがプロセスを推し進めた可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 57 (1), 59-68, 2017

    一般社団法人 日本心身医学会

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