ダサチニブによる胸水に対し柴陥湯が奏効したフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Dasatinib-induced Pleural Effusion Accompanied by Philadelphia Chromosome-positive Acute Lymphoblastic Leukemia, Successfully Treated with Saikanto
  • 臨床報告 ダサチニブによる胸水に対し柴陥湯が奏効したフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の1例
  • リンショウ ホウコク ダサチニブ ニ ヨル キョウスイ ニ タイシ サイカントウ ガ ソウコウ シタ フィラデルフィア センショクタイ ヨウセイ キュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

第2世代チロシンキナーゼ阻害薬,ダサチニブによる胸水に対して柴陥湯が奏効したフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(以下Ph+ALL)症例を経験したので報告する。症例は55歳女性。X-2年3月にPh+ALLと診断され,イマチニブなどの化学療法が開始された。1年後には,嘔気,下痢などでイマチニブ不耐容となり,ダサチニブが開始となったが,その約7ヵ月後,胸背痛や咳嗽が出現し,胸部単純レントゲン写真で右胸水の貯留がみられた。再燃を繰り返すためX年1月に当研究所を受診した。心下の圧痛があったことから,これを小結胸として柴陥湯を処方したところ,5ヵ月後には胸水や臨床症状は著明に改善し,小結胸の症候も消失した。以上の臨床経過から,本症例においては柴陥湯の免疫調節作用・抗炎症作用,さらに利水作用によって胸水が減少したものと考えた。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (42)*注記

もっと見る

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ