自己免疫性血小板減少症を伴った血管免疫芽球性T細胞リンパ腫

  • 末廣 悟
    九州大学生体防御医学研究所附属病院リウマチ膠原病内科
  • 白土 基明
    九州大学生体防御医学研究所附属病院リウマチ膠原病内科
  • 末廣 陽子
    九州大学生体防御医学研究所附属病院リウマチ膠原病内科
  • 大島 孝一
    福岡大学医学部第一病理
  • 塩川 左斗志
    九州大学生体防御医学研究所附属病院リウマチ膠原病内科
  • 西村 純二
    九州大学生体防御医学研究所附属病院リウマチ膠原病内科

書誌事項

タイトル別名
  • Angioimmunoblastic T cell lymphoma (AITL) with autoimmune thrombocytopenia
  • 症例 自己免疫性血小板減少症を伴った血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
  • ショウレイ ジコ メンエキセイ ケッショウバン ゲンショウショウ オ トモナッタ ケッカン メンエキ ガキュウセイ Tサイボウ リンパ シュ

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説明

症例は84歳男性。2000年6月,血小板減少と表在リンパ節腫脹で入院。胸水,浮腫,高ガンマグロブリン血症を認め,リンパ節生検にて,血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)と診断した。血小板数2.6万/μl, 骨髄で巨核球増加し,PA-IgG 2568.9 ng/107 cellsと著明高値が見られたことより,自己免疫性血小板減少と考えた。また,直接クームス陽性で自己免疫性溶血性貧血も合併していた。副腎皮質ホルモンを投与したが,血小板数は増加しなかったため,化学療法を行った。表在リンパ節は縮小したが,血小板数は増加せず依然として輸血依存性であったため,脾照射を試みた。5 Gyの照射にて,血小板数はやや増加した。その後,再び胸水貯留,リンパ節増大があり,化学療法を行ったが,肺炎を併発し死亡した。本症例の血小板減少に対し,AITLの活動性のコントロールに加え脾機能亢進に対する治療が必要であった。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 43 (9), 841-845, 2002

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (9)*注記

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