本邦における小児化膿性髄膜炎の動向 (2000~2002)

書誌事項

タイトル別名
  • The Trend of Childhood Bacterial Meningitis in Japan (2000-2002)
  • ホンポウ ニ オケル ショウニ カノウセイ ズイマクエン ノ ドウコウ 2000 2002

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説明

2000年7月から2002年12月迄の2年6カ月間に発生した小児化膿性髄膜炎の全国調査を実施し, 以下の結果を得た.<BR>129施設から316症例が報告され, 入院1,000人あたりの症例数は1.15人~1.76人で, 男女比は男児182例, 女児134例, 死亡は男児2例, 女児4例であった.年齢別では28日以下が29例, 1カ月~12カ月が117例, 1歳以上は170例であった.原因菌としてはHaemophilus influenzaeが172例と最も多く, 次いでStreptococcus pneumoniae 67例, Streptococcus agalactiae (GBS) 22例, Escherichia coli 11例の順であった.<BR>GBS, E.coliは低年齢での発症が多く, H.influenzae, S.pneumoniaeは4カ月~6歳に分布しており, S.pneumoniaeは6歳以上の年長児にもみられた.<BR>H.influenzae, S.pneumoniaeともに耐性化が進み, 2002年にはそれぞれ53.7%, 67.7%と耐性株が半数以上を占めていた.化膿性髄膜炎の初期治療に使用した抗菌薬の種類については, 4カ月未満では, 従来の標準的治療法とされているABPC+Cephemを組み合わせた使用が多く, H.influenzaeS.pneumoniaeが原因細菌として多くなる4カ月以降に関しては, PRSPを考慮したカルバペネム+Cephemの併用が増加し, 従来の標準的治療とされてきたABPC+Cephemの併用を越えた成績であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 78 (10), 879-890, 2004

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (15)*注記

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参考文献 (17)*注記

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