三塩化ホウ素とアンモニアとの反応による窒化ホウ素の生成と加熱処理による結晶化

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タイトル別名
  • The Formation of Boron Nitride in the Reaction of Trichloride with Ammonia and its Crystallization by Heat Trea tment

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説明

三塩化ホウ素とアンモニアとは1:4の割合に反応して,ホウ素を含む化合物と塩化アンモニウムとの混合物を与える。600℃以上で生成するホウ素の化合物は窒化ホウ素である。400℃以下で生ずる混合物にはX線回折では塩化アンモニウムしか認められなかった。このホウ素化合物は無定形と考えられる。室温で生成する混合物から塩化アンモニウムを除くために液体アンモニアで処理したところ,残分は構造のわからない結晶性物質に変わった。この物質の赤外吸収スペクトルは二つの吸収帯,1400,750cm-1を示し,窒化ホウ素のそれに似ている。室温,400,1000℃で生成したホウ素化合物の屈折率はそれぞれ1.575~1.618,1.618~1.650,1.757以上であった。<BR>室温生成物の熱分析をアンモニア気流中で室温から1000℃までの温度域で行なった。250~460℃の範囲で塩化アンモニウムが昇華し,それ以上の温度での重量減少はわずかしか認められなかった。残った物質は窒化ホウ素である。<BR>室温生成物をアンモニア中,1000℃で処理してできた窒化ホウ素を窒素中で1400~2000℃に加熱した。結晶性は温度とともに増大した。1000, 1400, 1600, 1800, 2000℃で処理した窒化ホウ素の結晶子のa軸方向の大きさはそれぞれ70, 70, 121, 343Åであった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 70 (5), 617-621, 1967

    The Chemical Society of Japan

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