Antihypertensive effects of the herbal drugs of Kampo medicine (traditional Japanese medicine): report of a single case who took six different Kampo formulas in turn

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説明

目的:1人の高血圧患者に漢方薬を順次投与し, 降圧効果を検証した。 <br />方法:43歳の軽症高血圧患者に対して6種類の漢方薬(順に半夏厚朴湯,黄連解毒湯,七物降下湯,釣藤散,柴胡加竜骨牡蛎湯,八味地黄丸) を順次投与した。それぞれの投与期間は4週間であり,各々の間に4週間ずつの洗い出し期間を設けた。 <br />結果:最初の漢方薬を投与する前に漢方医学的診察を行ったところ,八味地黄丸証を呈していた。各方剤順次投与の結果,日中平均血圧,夜間平均血圧,24時間平均血圧のいずれについても,八味地黄丸が最も強い降圧効果を示した。八味地黄丸は日中収縮期平均血圧,日中拡張期平均血圧,夜間拡張期平均血圧のいずれも10mmHg以上低下させた。これに対して他の方剤は顕著な効果を示さなかった。半夏厚朴湯は逆に昇圧効果を示した。 <br />結論:漢方薬にも降圧効果を期待できる可能性があるが,漢方医学的診断を行った上で処方を選択することが必要である。

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