Madhva派の仏教理解

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書誌事項

タイトル別名
  • The Madhva School's Understandings of Buddhism:
  • The Madhva School's Understandings of Buddhism : On the Statements of Madhva and Jayatirtha on Brahmasutra 2.2.18-32
  • ―― Brahmasutra 2.2.18-32に対するMadhvaとJayatirthaの言明について――
  • On the Statements of Madhva and Jayatirtha on Brahmasutra 2.2.18-32
公開日
2015
DOI
  • 10.4259/ibk.63.3_1230
公開者
日本印度学仏教学会

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説明

Vedanta学派の根本聖典,Brahmasutraは,他学派批判を目的とする第2篇第2章中,スートラ18-32を仏教説批判に当てる.同箇所については,Ramanuja (1017-1137)のSribhasyaにおける仏教理解の不備がすでに指摘されている.これと同じような不十分な仏教理解が,Madhva (1238-1317)の註釈,およびJayatirtha (1365-88)の複註Tattvaprakasikaにも見られる.もし時代が下ることにこの傾向が顕著になるとすれば,その原因をインドにおける仏教衰退と考えることもできよう.それを検証すべく,本稿では,過去のBrahmasutra研究において十分考慮されてこなかった,Madhva派の仏教説批判部における言明を再検討する.Madhva派の説明は,説一切有部の十二因縁・四縁,三無為法,唯識派の薫習などといった重要な仏教術語への言及を欠く.また,中盤でSunyavadaとして挙げられる説も,中観派の空思想と何の関係もない.以上を見ただけでは,Madhva派にも仏教知識の乏しさを指摘し得る.しかし,同箇所のJayatirthaの言明をより精査していくと,そこには先行註釈が触れない引用がいくつも見出される.その多くが,実際の仏教著作(例えば『唯識三十論』『知識論決択』『不二一滴論』),あるいは仏教徒と見なされる言明を典拠としている.独自に仏教文献に接触する機会がJayatirthaにあったことは間違いない.また,仏教術語の一々について説明を欠くのは,世界原因をめぐる議論という同章の主文脈に合わせた割愛とも考えられる.Madhva派が少なからず仏教説の知識を持ち合わせている以上,その説明に不十分さが見られたとしても,その原因をただ仏教の衰退にのみ求めることは早計である.

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