遺伝性高脂血症ウサギ

書誌事項

タイトル別名
  • A Heritable Hyperlipemic Rabbit
  • 遺伝性高脂血症ウサギ〔英文〕
  • イデンセイ コウ シケツショウ ウサギ エイブン

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説明

実験用ウサギ (日本白色種, Oryctolagus cuniculsvar.pomesticus) の血清総コレステロール値を研究中, 極めて高い血清総コレステロール値を示す一羽の雄のウサギを発見した。この変異種の特徴は次の如きものであった。<BR>(1) 変異種ウサギ (P世代とする) の血清の総脂質, β-リポ蛋白, ならびに総血清コレステロール値は, それぞれ, 3011mg/dl, 10.6デキストラン単位, ならびに447mg/dlで, 血清総コレステロール値は多小の動揺 (447~215mg/dl) を示しながらも, 約2年間の観察期間中ずっと高値を示した。<BR>(2) この高血清コレステロール血症は遺伝性のものであった。F1仔ウサギはそれ程高いコレステロール値を示さなかったが, 兄妹交配による産仔12羽のF2のうち1羽の雌のウサギはP世代のウサギと同様な高コレステロール値 (470~287mg/dl) を維持しているので, この高コレステロール値を示す遺伝子は多分劣性であり, かつ伴性遺伝ではないと思われる。<BR>(3) この高脂血症ウサギはその血清性状からみて<BR>Fredricksonらの分類による第II又は第III型のヒトの家族性高脂血症の疾患モデルとなりうるものと思われ, 目下その近交系樹立につとめている。

収録刊行物

  • 実験動物

    実験動物 24 (3), 89-94, 1975

    公益社団法人 日本実験動物学会

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