ラットコロニーで観察されたセンダイウイルスの流行について

書誌事項

タイトル別名
  • An Epizootic of Sendai Virus Infection in a Rat Colony
  • ラットコロニー デ カンサツ サレタ センダイウイルス ノ リュウコウ ニ ツイテ

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説明

1961年からの9年間に亘る観察で総数約500匹のラット繁殖育成コロニーに, 呼吸器症状を主徴とする疾病の流行が8-10ケ月間隔でくりかえし発生し, その多くは夏一秋にみとめられた。大規模の流行の場合, 蔓延は極めて速やかで, ほぼ1週間で全コロニーに波及し, 2-3週後には消退した。このような大規模の流行終息から2-6週間おいて, 小規模の流行がみられる場合があった。流行時には, 幼若ラットの発育不良, 離乳率の低下がみとめられた。発病ラットでは肺の赤色肝変化が特徴的であり, そのような材料からは血球凝集性ウイルスが分離され, センダイウイルスHI抗体が症状, 肺病変の発現と一致して顕著に上昇し, 流行が終息してから1年後にも検出された。流行の終息後に生まれたラットには, 生後1ケ月令では移行抗体が検出されたが, その後新たな流行に遭遇するまですべて抗体陰性であった。1968年以後おこなった検索では肺からのMycoplasmaの分離が陽性であったのは1回の流行のみであった。

収録刊行物

  • 実験動物

    実験動物 22 (4), 275-280, 1973

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (1)*注記

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