ATC/DDDシステムを利用した抗菌薬使用量比較

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【目的】近年抗菌剤に対する菌の耐性化が問題となり、適正使用の推進のために毎月の抗菌薬使用量を把握することは重要である。しかし使用本数の調査では時間的、空間的に変動のある院内で各抗菌薬間の比較は困難である。そこでWHOの推奨する医薬品使用量集計方法であるATC/DDDシステムを用い比較したので報告する。<BR> 【方法】ATC/DDDシステムを用い、各月毎に抗菌薬使用量を調査し、感染対策委員会で導入前後の使用量調査について比較・検討を行った。抗菌薬使用量は1ヶ月の抗菌薬使用重量(g)を各抗菌薬のDDDと、入院患者延べ在院日数で割った値に100を乗じたものとした。また各抗菌薬のDDDはWHOに定義されている値を使用し、DDDが定義されていない抗菌薬については最大投与量をDDDとした。<BR> 【結果】導入前は各月毎に各抗菌薬の使用バイアル数を集計・比較していた。この方法では各月の日数の違いや入院患者数の違い、そして常用量の違いや同成分別規格薬剤の影響があり、月別や抗菌薬どうしの比較は容易ではなかった。導入後の抗菌薬使用量は、入院患者100人当たり、一日に各抗菌薬がDDD量で何人使用したかが示され、そしてDDDは成分別に定義されているため、集計結果も成分別に算出される。<BR> 【考察】ATC/DDDシステムを用いることで、各抗菌薬の使用量が薬品別ではなく、成分別で解析され、以前よりバックグランドによる影響が少なくなったと考えられる。そして値の単位は『人』で表示されるため、異なる成分間の比較や、同一成分においても月別の比較が容易になった。今後もデータを蓄積し、抗菌薬適正使用にむけて検討していきたい。

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  • CRID
    1390282680495418240
  • NII Article ID
    130006945247
  • DOI
    10.14879/nnigss.59.0.201.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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