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伸張性収縮を負荷したモデルラットにおける筋痛発現時期の検討

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Abstract

【目的】激しい運動や、慣れない運動をした際に生じる筋肉痛(遅発性筋痛:以下DOMS)は圧痛を主な特徴とし、その痛みは運動後数時間から24時間で発現し、約48時間後にピークを迎え、5~7日後に消失すると報告されている。DOMSのメカニズムは未だ不明であるが、ラットに伸張性収縮(Eccentric Contraction:以下ECC)を負荷することで、DOMSの特徴である圧痛が出現することが報告されている。しかし、このモデルラットの筋痛の発現時期は運動負荷当日の圧痛閾値の変化を検討していないため不明である。そこで本研究はDOMSのメカニズム解明に有用なモデルであるかを検証するために、ECC運動負荷後の筋痛発現時期について行動学的、免疫組織化学的手法を用いて検討することとした。<BR>【方法】本実験は名古屋大学医学部動物実験倫理委員会の許可を得て行った。実験には7週齢のSD雄性ラットを用いた。ECC運動負荷はラットに対し麻酔下で絶縁針電極を経皮的に坐骨神経(+極)と総腓骨神経(-極)の近傍に刺入し、繰り返し電気刺激を与えて長趾伸筋(以下、EDL)を収縮させると同時に、小動物用他動運動装置を用いて足関節を底屈方向に動かすことによって負荷した。行動学的実験では運動負荷をしたECC群(n=6)と、繰り返し伸張のみを行ったSHAM群(n=6)の2群に分け、Randall‐Selitto式鎮痛効果測定装置を用いて運動終了から2時間ごとにEDLの圧痛閾値を測定した。免疫組織化学的実験では、運動後EDLに圧迫刺激を行い、その2時間後にラットを灌流固定し、L4部の脊髄後角表層に発現するc-Fos陽性細胞の発現を調べた。<BR>【結果】行動学的実験では、圧痛閾値がECC群において運動負荷8時間後から有意に低下し、24,48時間後にピークを迎え、7日後に消失した。免疫組織化学的実験では、運動負荷4時間後と比較して6時間後でc-Fos陽性細胞の増加傾向がみられた。<BR>【考察・まとめ】行動学的実験の結果から、ECC運動負荷1~7日後まで先行研究と同様の経過を示しており、モデルラットの作成が確認された。一方、運動負荷6時間後までは圧痛閾値の低下は確認されなかった。また免疫組織化学的実験において、約6時間後で細胞数の増加がみられたことから、圧痛の発現は遅発性のものであることが示唆された。このことより、このモデルラットは筋痛が遅れて発現するというDOMSの特徴と一致するため、DOMSモデルとして適切であると考えられた。しかし、行動学的実験と免疫組織化学的実験の結果は完全には一致せずに時間的なずれが生じていた。脊髄後角2次ニューロンにおけるc-Fos陽性細胞の発現と痛み行動の間にどのような関連があるのか、今後検討が必要である。

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