脳血管障害患者の急性期理学療法における離床時期

  • 矢野 沙織
    医療法人禎心会病院リハビリテーション部理学療法科
  • 澤田 三津子
    医療法人禎心会病院リハビリテーション部理学療法科
  • 西川 典利
    医療法人禎心会病院リハビリテーション部理学療法科
  • 今野 薫
    医療法人禎心会病院リハビリテーション部理学療法科
  • 小林 雅之
    医療法人禎心会病院リハビリテーション部理学療法科
  • 安達 玲香
    医療法人禎心会病院リハビリテーション部理学療法科

Bibliographic Information

Published
2009
DOI
  • 10.14900/cjpt.2008.0.b3p1279.0
Publisher
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)

Description

【目的】急性期にベッドサイドから理学療法(以下PT)を開始する脳血管障害(以下CVA) 患者にとって、リハビリテーション室(以下リハ室)でPTを実施することは、離床という目標を達成する過程で1つのステップになる.そこで、ベッドサイドからPTを開始したCVA患者が、リハ室でのPT実施に変更するまでに要した期間(以下Bed Side期間)を明らかにし、どのような要因が関与しているのかを検討した.<BR>【方法】対象は当院にて平成19年7月1日~平成20年6月30日の期間に、ベッドサイドからPTを開始したCVA患者89名より、リハ室でのPT実施に変更しなかった患者18名を除いた計71名(男性31名、女性40名、平均年齢69.8±13.4歳)とした.診療記録よりBed Side期間・主病名・PT開始時の意識障害(JCS)・Br-Stage(以下B/S)・PT開始後の神経症状増悪の有無及びその内容・合併症の有無及びその内容についてプライバシーの保護に十分配慮し、後方視的に調査した.調査内容は匿名化し、データベース化した.Bed Side期間について病型・JCS・B/S・神経症状増悪の有無・合併症の有無、それぞれを要因とする一元配置分散分析および多重比較検定を行い、有意水準は5%未満とした.<BR>【結果】Bed Side期間は脳血栓症2.4±2.4日、脳塞栓症13.6±17.3日、脳出血6.8±9.5日、くも膜下出血10.9±4.5日であり、脳塞栓症は脳血栓症よりBed Side期間が有意に延長した.JCS1桁3.1±2.9日、JCS2桁12.6±14.1日、JCS3桁38.0日であり、意識障害が重症になるほどBed Side期間が有意に延長した.B/S1:16.0±12.4日、B/S2:10.8±11.7日、B/S3:12.3±25.1日、B/S4:4.2±3.6日、B/S5:4.5±4.5日、B/S6:1.5±0.7日、麻痺無し:6.8±5.6日であり、B/Sは有意な効果を認めなかった.また神経症状の増悪有り15.0±14.3日、無し7.4±10.7日であり、神経症状の増悪の有無は有意な効果を認めなかった.合併症有り8.9日±12.7日、無し5.5±4.8日であり、合併症の有無は有意な効果を認めなかった.<BR>【考察】Bed Side期間は脳塞栓症の患者において延長することが多く、また意識障害が重症であるほど延長すると考えられる.B/S・神経症状の増悪の有無・合併症の有無は本研究では有意な効果を認めなかったが、運動麻痺が重症である患者、神経症状の増悪がみられた患者、合併症を有する患者でBed Side期間が延長する傾向がみられるため、これらの要因も関与する可能性は否定できない.また合併症は、種類・重症度に様々なものがあり、その有無だけでは効果が認められなかった可能性もあると考えられる.<BR>【まとめ】本研究においてBed Side期間は、病型による違いを認めた.また、意識障害が重症であるほど延長することが明らかになった.今後さらにCVA患者の離床時期について、重症度・神経症状の増悪・合併症に留意し、個別的に検討していく必要があると考える.

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680542983168
  • NII Article ID
    130004580386
  • DOI
    10.14900/cjpt.2008.0.b3p1279.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top