入院後に症状が増悪したBranch Atheromatous Disease(BAD)症例の臨床経過
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- 前田 直
- 杏林大学医学部付属病院リハビリテーション室 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター
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- 岡島 康友
- 杏林大学医学部付属病院リハビリテーション室 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター 杏林大学医学部リハビリテーション科
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- 山口 芳裕
- 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター 杏林大学医学部救急医学科
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- 西山 和利
- 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター 杏林大学医学部神経内科
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- 山田 深
- 杏林大学医学部付属病院リハビリテーション室 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター 杏林大学医学部リハビリテーション科
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- 東條 友紀子
- 杏林大学医学部付属病院リハビリテーション室 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター
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- 門馬 博
- 杏林大学医学部付属病院リハビリテーション室 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター 首都大学東京大学院人間健康科学研究科HPS系
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- 石田 幸平
- 杏林大学医学部付属病院リハビリテーション室 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター
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- 松本 由美
- 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター
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- 栗田 浩樹
- 杏林大学医学部付属病院脳卒中センター 杏林大学医学部脳神経外科
書誌事項
- 公開日
- 2008
- DOI
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- 10.14900/cjpt.2007.0.b0685.0
- 公開者
- 日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
説明
【はじめに】<BR> Branch Atheromatous Disease(BAD)は穿通枝入口部のアテローム硬化性変化による狭窄,または閉塞により,穿通枝全体に及ぶ梗塞のことを示す疾患概念である(Caplan LR, 1989).その臨床経過の特徴としては急性期治療を開始した後にでもしばしば症状の増悪がみられ,狭義のラクナ梗塞に比べ症状が重篤化,遷延することがあげられる(Stinke W, et al., 2002).しかしながら,機能障害の側面から日常生活動作(ADL)に関し具体的な検討を行った報告は少なく,症状の重篤化が予後にどれほど影響を及ぼすかは明らかになっていない.そこで今回BAD症例とラクナ梗塞症例を比較し,ADLに関してその臨床経過の違いを検討したので報告する.<BR>【方法】<BR> 対象は2006年5月から2007年8月までに脳卒中(脳梗塞,脳出血)の診断にて当院脳卒中センターへ入院し,1週間以上のリハビリテーションを行った373例のうち,BAD19例(BAD群),ラクナ梗塞53例(ラクナ群).評価項目は年齢,在院日数,入退院時のNIHSS,FIM得点,および入退院時のFIM得点の差分を在院日数で除したFIM efficiencyとした.両群の比較検定にはt検定およびMann-Whitney U検定を用い,有意水準は5%未満とした.<BR>【結果】<BR> 年齢はBAD群65.6±12.8歳,ラクナ群71.4±11.7歳で有意差を認めなかった(p=0.08).在院日数ではBAD群27.1±12.5日,ラクナ群18.9±12.0日で有意差が認められた(p<0.01).入院時NIHSSはBAD群3.2±2.3,ラクナ群2.8±2.0(p=0.71),退院時NIHSSはBAD群2.7±2.7点,ラクナ群1.5±1.8点(p=0.16)で,いずれも両群間に有意差を認めなかった.入院時FIMはBAD群72.8±21.1点,ラクナ群86.1±26.0点(p=0.01),退院時FIMはBAD群104.4±19.7点,ラクナ群111.7±23.9(p=0.03)と共にBAD群において有意に低値であった.FIM efficiencyはBAD群1.38±0.79,ラクナ群1.72±1.20で有意差を認めなかった(p=0.38).<BR>【考察】<BR> 疾患重症度では有意差を認めなかったものの,ADLはBAD群で有意に低下しており,在院日数も長期化していた.今回の我々の結果は先行研究にあるBAD例において症状が重篤化し,遷延するという報告を支持するものである.しかし,ADLの改善効率はラクナ梗塞症例と差はなく,ある程度の回復が期待できることが明らかとなった.
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2007 (0), B0685-B0685, 2008
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680545287296
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- NII論文ID
- 130005015265
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可
