- 【Updated on May 12, 2025】 Integration of CiNii Dissertations and CiNii Books into CiNii Research
- Trial version of CiNii Research Knowledge Graph Search feature is available on CiNii Labs
- 【Updated on June 30, 2025】Suspension and deletion of data provided by Nikkei BP
- Regarding the recording of “Research Data” and “Evidence Data”
足関節外内反制御能力と片脚立位保持能力の関係
-
- ニノ神 正詞
- 島田脳神経外科リハビリテーション科
Description
【はじめに、目的】 片脚立位は運動器不安定症や最近提唱されたロコモティブシンドロームの診断項目にもなっており、簡便な立位バランス能力の評価として使用されている。片脚立位は健常成人では足関節戦略優位にて行っていると言われているが、今回足関節外内反に着目し、主動作筋による単純な足関節外内反運動ではなく、外反筋と内反筋の協調的運動が重要になるのではないかと考えた。そこで、本研究の目的は、足関節外内反制御能力が片脚立位保持能力に及ぼす影響を明らかにすることである。【対象、方法】 対象は、健常成人15名とした。内訳は年齢30.8±7.8歳、身長165.2±8.2cm、体重57±10.8kg、性別は男性9名・女性6名。方法は、1バランスパッド(AIREXバランスパッド)上での閉眼片脚立位時間と、2左右方向のみに不安定とした不安定板(OG技研製角型DIJOCボード)上片脚立位にて、メトロノーム(SEIKO製)の音(80回/分設定)に合わせて左右交互に床にボード端を何回接地できるか回数を測定した。1・2とも左右各1回のリハーサルを行い同一検者での測定とし、1では測定結果は3回実施しその最高時間とした。2では開始肢位をボード内側・外側傾斜位それぞれとし、ボード端の床への接地音とメトロノーム音が重ならなくなる直前までの回数をビデオにて確認し、測定結果は内側・外側傾斜位各3回実施しその最高時間の平均とした。又、一週間後にも同様の測定を行い再現性の確認もした。さらに、2の課題に対して足関節(特に外内反)の関係性を調べるために、上記被検者の内6名でShoehorn Brace装着にて2と同課題を左下肢で行った。統計処理は、足関節外内反制御能力と片脚立位保持時間の関係性について Spearman順位相関係数を、1回目と2回目の再現性についてはICC級内相関係数を用いた。また、Shoehorn Brace装着・非装着時での比較はWilcoxon順位和検定を使用した。【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき研究の目的・方法を説明し、同意を得た上で実施した。【結果】 右足関節外内反制御能力と右片脚立位保持時間1回目P<0.05 rs=0.81、2回目 P<0.05 rs=0.74、左足関節外内反制御能力と左片脚立位保持時間1回目P<0.05 rs=0.71、2回目 P<0.05 rs=0.53となり、それぞれに強い相関が認められた。級内相関係数はICC(1,1)右外内反0.87右片脚立位0.79、左外内反0.92左片脚立位0.84で再現性も確認された。また、Shoehorn Brace装着・非装着時での比較については、P<0.05と有位差が認められた。【考察】 片脚立位は静的立位といいながらも呼吸や心拍動によって微妙な重心移動を伴っている。いわば内乱刺激に応じてバランスを取る必要があり、足関節での姿勢制御が重要な役割を担っていると思われる。今回メトロノームを使用した課題としたことで、外乱刺激に運動を合わせるため重心を適正に保つ能力が求められ、その役割として足関節外内反筋による求心性・遠心性運動を巧みにコントロールする能力が必要になるのではないかと考えた。課題2において、Shoehorn Brace装着することで、回数に有位に差がみられたことは足関節による制御が重要な役割を果たしていることを示唆し、本研究に強い相関がみられたということは、足関節外内反能力の重要性を支持する結果となった。つまり、足関節外反時には外反筋の求心性運動、同時に拮抗筋である内反筋の遠心性運動を、内反時では逆の運動というように、常にこれらを繰り返し巧みにコントロールしていると思われる。今後は、設定課題2と足関節外内反運動との関係性をより客観的なものとするために、筋電図での検証を行っていく必要がある。また、訓練としての効果も検証していくことで、効率的な運動プログラムの構築につながる可能性もあると考える。【理学療法学研究としての意義】 片脚立位はバランステストや訓練プログラムとして多用されている動作であり、足関節機能が重要な役割を担っている。今回、健常成人における足関節外内反制御能力との関係性を明らかにすることで、適切な評価や効率的な運動プログラムの構築につながる可能性があると考える。
Journal
-
- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
-
Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2011 (0), Aa0862-Aa0862, 2012
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
- Tweet
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680548503040
-
- NII Article ID
- 130004692305
-
- Text Lang
- ja
-
- Data Source
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- Abstract License Flag
- Disallowed