浸漬液の違いによる黒大豆の軟化とポリアミン含量の変化

書誌事項

タイトル別名
  • Changes of Polyamine content and tenderizing of black soybeans in soak solution

説明

<BR>【目的】黒大豆はイソフラボンやポリフェノールを多く含んでいることが知られている。また、最近細胞増殖に必須の生理活性物質としてポリアミンを多く含んでいることもわかってきた。しかし、大豆は強靱な外皮を有するため、調理するには前処理として浸漬が必要であり、加熱に長時間を要することからその摂取量は少ない。本実験は大豆の軟化に効果的であると言われている食塩水、炭酸水を用いて浸漬液の違いによる軟化の状態とポリアミン含有量の変動を測定した。<BR>【方法】黒大豆は平成19年度篠山産を使用した。浸漬液は水、1%食塩水、0.3%炭酸水素ナトリウム液の3種類とし、浸漬時間は12時間(23℃)、加熱は電気調理器(火力:強10分、中40分)を使用した。豆の硬さはクリープメーターで破断強度を測定し、ポリアミン分析試料は豆(生、浸漬後、加熱後)を破砕し、これに5%トリクロロ酢酸を加え、ホモジナイズ後、遠心分離し、得られた上澄みを用いた。分析はポストカラムOPA法により行った。<BR>【結果】12時間浸漬後の膨潤倍率は水2.40倍、1%食塩水2.32倍、0.3%炭酸水素ナトリム液2.37倍で、液間に膨潤差はなかった。加熱後の硬さは水に浸漬した豆が一番硬く、ついで1%食塩水、0.3%炭酸水素ナトリウム液の順であり、0.3%炭酸水素ナトリム液に浸漬した豆は他の2つに比べ有意に柔らかであった。ポリアミンの分析ではプトレシン(PUT)、スペルミジン(SPD)、スペルミン(SPM)の3成分が全体の95-97%を占めていた。これらの成分はいずれも加熱により減少するものの、浸漬液の違いによる差は認められなかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680668058880
  • NII論文ID
    130007013444
  • DOI
    10.11402/ajscs.21.0.2030.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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