大規模災害時における安全な徒歩帰宅実現のためのグループ作成に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A method to form groups of commuters getting home on foot in a time of devastating disaster

説明

大規模災害時の帰宅困難者対策の一つに「徒歩帰宅者への支援」が挙げられており(首都直下地震帰宅困難者対策協議会 2012),行政による支援ルートの設定や,各主体による徒歩帰宅支援物資の備蓄といった対策が進みつつある.こうした対策に加え,より安全な徒歩帰宅の実現のためには,単独で帰宅するのではなく,居住地の近くまで複数名(グループ)で帰宅することが望ましい.しかし同時に,グループで帰宅することによって居住地までの距離が大幅に長くなることは望ましくない.複数名で帰宅しつつも,居住地までの遠回りがなるべく少なくなるグループを,各主体があらかじめ準備しておくことが,大規模災害時の安全な徒歩帰宅につながると考えられる. 森田ほか(2014)では,出発地点から居住地点までの最短経路に基づくグループ作成手法を提案し,愛知県に所在するA社データに適用した結果から,手法の有効性や課題の検証を行なった.提案した手法を用いた場合,同一グループとなる居住地点の分布は,道路網に沿った細長い形状となり,複数名で帰ることによる遠回りの少ないグループ作成が可能である事がわかった.しかしその一方で,メンバー数の非常に多いグループが作成されてしまったり,居住地点間は近隣であるにもかかわらず,異なるグループに分けられてしまったりする場合のあることが課題として残された.また,運用面での大きな課題として,居住地点までの最短経路に基づくグループ作成手法では,主体構成員の入れ替わりがあるたびにグループ作成作業が必要になること,加えて,その度にグループメンバーの変更が生じることが挙げられる.そこで,本研究では,以上の課題克服を目的としてグループ作成手法の修正を行なった.また修正した手法をA社データに適用することで,修正した手法の有効性や活用方法について検討した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680671113600
  • NII論文ID
    130005489885
  • DOI
    10.14866/ajg.2015s.0_100245
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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