血清蛋白分画検査を院内で実施する意義

  • 井本 真由美
    近畿大学医学部附属病院・中央臨床検査部 自治医科大学臨床検査医学
  • 山田 俊幸
    自治医科大学臨床検査医学
  • 上硲 俊法
    近畿大学医学部附属病院・中央臨床検査部 近畿大学医学部臨床検査医学

書誌事項

タイトル別名
  • The significance which conducts a serum protein fraction in the hospital laboratory

この論文をさがす

説明

<p>血清蛋白分画検査は,血清蛋白異常症のスクリーニング検査として広く用いられており,特に多発性骨髄腫の診断および治療効果の判定に欠かせないM蛋白の検出方法である.血清蛋白分画を院内で実施する最大の意義は,重要な所見を発見し,その病態を把握したうえでいち早く依頼医に報告できることである.当院における取り組みとしては以下のようなものがある.第一に,悪性M蛋白等異常所見を認めた患者においては,検査技師がカルテを閲覧し,検査目的や他の検査所見を参考に,疑われる病態を考察する.第二に特徴的なβ-γブリッジングが認められた時には,IgG4関連疾患を疑う.第三に生化学や免疫学的検査で非特異反応を認めたときに,その原因の一つと考えられるM蛋白の有無の確認をする.第4にクリオグロブリンの型判定にも利用する.このような取り組みにより医師の診断のサポートが行える.</p>

収録刊行物

  • 電気泳動

    電気泳動 61 (2), 74-78, 2017

    日本電気泳動学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ