スープ摂取後の安堵感の評価と心理的,生理的要因の検討

  • 永井 成美
    兵庫県立大学環境人間学部食環境栄養課程 岡山県立大学保健福祉学部栄養学科
  • 山本 百希奈
    岡山県立大学保健福祉学部栄養学科
  • 御堂 直樹
    クノール食品株式会社開発工業化センター商品開発部
  • 磯村 隆士
    クノール食品株式会社開発工業化センター商品開発部
  • 脇坂 しおり
    兵庫県立大学大学院環境人間学研究科環境人間学専攻
  • 森谷 敏夫
    京都大学大学院人間・環境学研究科応用生理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of the Transient Sense of Relief Following Soup Intake, and Related Psychological and Physiological Factors
  • スープ セッシュ ゴ ノ アンドカン ノ ヒョウカ ト シンリテキ セイリテキ ヨウイン ノ ケントウ

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説明

本研究の目的は, スープ摂取後の安堵感(心がほっと安らぐ感覚)の定量的評価を行い, スープの種類による安堵感の違い, および安堵感に影響を及ぼす心理的, 生理的要因を検討することである。予備試験では, 訓練された6名のパネルによる官能検査を4種類のサンプル(コーンポタージュ[90 kcal], チキンコンソメ[43 kcal], および等エネルギーで風味に乏しいコーン・プラセボ, チキン・プラセボ)について行い, 各サンプルの特性を位置づけた。本試験では, 前夜から絶食した11名の女性(22.6±0.3歳)に, スープサンプルを朝食として, 異なる4日間にランダムな順序で負荷した。安堵感スコア, 満腹感スコア, 心拍数, 交感・副交感神経活動(心拍変動解析による), エネルギー消費量(呼気ガス分析による)を, スープ摂取前および摂取1時間後まで経時的に測定した。サンプルへの嗜好スコアは, コーンポタージュ, チキンコンソメの順に高く, 両プラセボで最も低かった。スープ摂取後の安堵感は, コーンポタージュでは他のスープサンプルより有意に高値を示した。安堵感は, 嗜好スコア, 満腹感スコア, 心拍数と正相関し, 副交感神経活動と負の相関を示した。本結果から, コーンポタージュ摂取後の高い安堵感には, スープへの嗜好性, および摂取後の満腹感と心拍数の上昇が関連していることが示唆された。

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被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (26)*注記

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