スギ伏条稚樹の光環境と光合成

書誌事項

タイトル別名
  • Photosynthesis of young Sugi (<i>Cryptomeria japonica</i> D. DON) trees regenerated by natural layerings under various light climates
  • スギ フクジョウ チジュ ノ ヒカリ カンキョウ ト コウゴウセイ

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説明

1978年9月から11月にかけてスギ天然生林内のスギ伏条稚樹,皆伐跡地の伏条稚樹およびスギ造林木の光-光合成曲線を比較した。林外の伏条稚樹は造林木と同程度の高い光合成速度をしめすが,林内稚樹はどの照度下でも前2者よりも光合成速度は低かった。この理由を考えるため, 1979年5月から10月にかけて相対照度と光-光合成曲線の関係を葉齢別に求めた。当年葉では暗い光環境下に生育するものほど弱光部での光合成速度が高い,一種の適応現象がみられた。1, 2, 3年葉ではこの適応は明らかではなく,光合成速度も当年葉にくらべかなり低かった。林外稚樹は生長が旺盛で,個体の全葉中に占める当年葉の割合が大きいことが光合成速度の高さに結びついていると考えた。林内稚樹では旧葉の占める割合大きく,光合成速度を低めていると考えた。しかし林内稚樹の葉が長期間生き続けることは葉量の確保につながり,新葉の生産に際しての物質の消費を少なくすると考え,スギ伏条稚樹の耐陰性にとって重要な要素であると考えた。

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