猫の鉤虫症に関する実験的研究 : II. Ancylostoma tubaeform ZEDER,1800 と Ancylostoma caninum ERCOLANI,1859 の虫卵および仔虫の形態について

書誌事項

タイトル別名
  • EXPERIMENTAL STUDIES ON ANCYLOSTOMIASIS IN CATS : II. MORPHOLOGY OF EGGS AND LARVAE OF ANCYLOSTOMA TUBAEFORME ZEDER, 1800 AND ANCYLOSTOMA CANINUM ERCOLANI, 1859
  • ネコ ノ コウチュウショウ ニ カンスル ジッケンテキ ケンキュウ 2 Ancylostoma tubaeforme ZEDER , 1800 ト Ancylostoma caninum ERCOLANI , 1859 ノ チュウラン オヨビ シチュウ ノ ケイタイ ニ ツイテ エイブン

この論文をさがす

説明

先に本研究の第1報において,わが国の猫に自然感染した鉤虫にはA.tubaeformeとA.caninumの2種があることを認め,この場合の猫から得た A.caninum虫卵は,犬由来のA.caninumの虫卵に比較して長径と短径の比率が大きな数値を示し,その形態が長楕円形に変形していたことを述べた.なお,この事実については,猫へ人工感染した試験成績を次回に追記すると報じた.そこで今回は A.tubae一formeとA.caninumを猫へ人工感染させて採集した虫卵の形態を測定して,自然感染猫・犬から得た虫卵と比較し,さらに卿化したFilariform仔虫の形態を計測して比較した成績を記述する.従来,猫由来の A.jubaeforme虫卵と大由来のA.caninum虫卵の比較成績については,すでに野田,BURROWSらの報告があるが,猫に感染したA.caninum虫卵についての報告は,まだその例を見ない・猫へ人工感染させたA.caninum虫卵の形態は,長径と短径との比率が大きな数値,すなわち1.84±0.14を示して,長楕円形に変形していた.このことは著者らが既報した自然感染猫のA.caninum虫卵についての記載と同じであった.一方,犬由来のA.caninum虫卵の形態は,長径と短径の比率が1.64±0.11であって,前者よりも短楕円形であった.また猫由来のA.tubaeformeの虫卵は,長径と短径との比率が 1.56±0.12を示して,短楕円形であった.以上のことから,猫から排泄された不明鉤虫卵の種類同定には,長径と短径の比率を比較することが有効であると考えた.次にA.tubaeformeとA.caninumのFilarirorm仔虫について,形態上の検索を試みた成績によれば,Shcathの Striationの形状,運動性および体腔内顆粒の色調等の点で若干の相違はあるが,両種の仔虫を形態上で明らかに区別することは困難であった・

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ