多発性骨髄腫の病態解明と治療の進歩

  • 安倍 正博
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Recent Advances in Biology and Treatment of Multiple Myeloma
  • 医学と医療の最前線 多発性骨髄腫の病態解明と治療の進歩
  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン タハツセイ コツズイシュ ノ ビョウタイ カイメイ ト チリョウ ノ シンポ

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抄録

多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)は,意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS)より進展し,発症する.骨髄腫細胞内で起こるゲノム不安定性や遺伝子プロモーターのメチル化などのepigeneticな制御の異常により特定の遺伝子が活性化あるいは不活性化し,骨髄腫は多段階の発癌ステップにより進行する.また,このような骨髄腫細胞自身の細胞遺伝学的な異常に加え,本症に特徴的な病態の形成や腫瘍進展・治療耐性の獲得に骨髄腫細胞と骨髄内のみならず,骨外の微小環境との間の複雑な細胞間相互作用が注目されている.近年,MMの進展に関する分子病態の解明や新規薬剤の登場により,治療パラダイムが大きく変貌している.

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