強粘質半湿田と乾田化水田における施肥および土壌無機化窒素の有機化,脱窒および水稲による吸収

書誌事項

タイトル別名
  • The Fate of the Applied Nitrogen and Mineralized Soil Nitrogen on Immobilization, Denitrification and Absorption by Rice Plants by Flooding Irrigation and Non flooding Irrigation in Semi-I11-Drained and Well-Drained Heavy Clayey Paddy Field
  • キョウネンシツ ハン シツデン ト カンデンカ スイデン ニ オケル セヒ オ

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説明

水田土壌中における窒素の有機化,無機化,脱窒および水稲による吸収の動態について強粘質半湿田および乾田化水田で無湛水条件で検討した結果は次のとおりであった.1)施肥窒素の水田土壌中での有機化割合について,活着期肥の有機化割合は分けつ期肥,幼穂形成期肥のそれよりかなり大きく2〜4倍程度であった.各生育時期とも半湿田は乾田化水田より有機化割合が大きかった.乾田化水田は半湿田に比べて,活着期肥はそれほど差がなかったが,分けつ期肥および幼穂形成期肥のそれはかなり小さくなった.これらは湛水区のほうが大きかった.しかし,乾田化水田では活着期肥でこの傾向を認めたが,それ以降は両区ともほとんど同程度に小さくなった.2)水稲による施肥窒素の吸収割合は活着期肥,分けつ期肥,幼穂形成期肥と窒素吸収能力が大きくなるにつれて高くなっていた.これは半湿田と乾田化水田では湛水区は各時期とも相違がなかったが,無湛水区では半湿田のほうが大きかった.また,湛水区とむ湛水区の比較では半湿田は両区ともあまり相違がなかったが,乾田化水田は湛水区のほうが分けつ期肥および幼穂形成期肥で大きかった.3)施肥窒素の水田土壌中での脱窒割合について,半湿田と乾田化水田では乾田化水田のほうが大きかった.半湿田,乾田化水田とも湛水区と無湛水区とでは各時期とも無湛水区のほうが大きいという傾向であった.活着期肥および分けつ期肥のその割合は同じように大きく,幼穂形成期肥のそれは小さいという結果であった.4)土壌中の無機化窒素量は湛水区では乾田化水田で高かった.湛水区と無湛水区の比較では乾田化水田は湛水区で大きかったが,半湿田は両区ともほとんど変わらなかった.これは半湿田無湛水区の作土が余りよく乾かなかったことによる.土壌の無機化窒素の有機量は半湿田と乾田化水田の比較では湛水区で大きかった.土壌の無機化窒素の水稲による吸収量は乾田化水田湛水区>半湿田湛水区,半湿田無湛水区>乾田化水田無湛水区の順であった.土壌の無機化窒素の脱窒量は半湿田では無湛水区がやや大きかったが,乾田化水田では湛水区で大きかった.乾田化水田では湛水区と無湛水区戸で無機化窒素量にかなりの差があったためである.

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