改変h-CLATによるpro-/pre- haptenの評価

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  • Evaluation of pro-/pre- hapten using modified human cell line activation test (h-CLAT)

抄録

<p>【背景・目的】 human Cell Line Activation Test(h-CLAT)は、植物エキスのような微量の感作性成分を含む混合物を正確に評価できないことが知られていた。我々は、短時間高濃度暴露を基本とするh-CLAT(改変h-CLAT)を用いることでその評価が可能となることを見出した。</p><p>さらに、改変h-CLATが微量の感作物質を捉え、評価しているのかを微量感作モデルを用いて検討したところ、6物質中1物質が偽陰性と評価された。この偽陰性となった1物質はpro-/pre- haptenであることが原因と考え、改変h-CLATが微量のpro-/pre- haptenを評価可能であるかを検討した。</p><p>【方法】 従来のh-CLATで陽性と評価される4種の皮膚感作性物質eugenol(EU)、cinnamic alcohol(CA)、2-methoxy-4-methylphenol(MM)、p-phenylenediamine(PD)を1,3-butylene glycol(1,3-BG)溶液(1,3-BG:蒸留水=1:1)で希釈し、生理食塩水を溶媒とした微量感作モデルを作製した。各微量感作モデル500µLを1×10^6cellsのTHP-1細胞に5分間暴露し、洗浄後24時間の後培養を行った。被験物質調製、細胞暴露以外はプロトコル(OECD TG 442G)に従い測定した。また、prehaptenと考えられているPDについては、構造が酸化により変化しているか確かめるため吸光度の時間変化を測定した。</p><p>【結果・考察】 EU、CA、MMは改変h-CLATでは偽陰性となった。これらはprohaptenと考えられ、代謝に酸化が必要であるが、短時間化したために十分な代謝が起こらなかったと考えられる。一方、PDは正しく陽性と評価された。特にPDの吸光度は調製直後から時間に依存して吸光度が変化していた。これらのことから、PDは調製時から暴露時間内に自己酸化されたと考えられる。以上よりpro-/pre- haptenの評価の改善にはそれぞれ個別の検討が必要と示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763129867904
  • NII論文ID
    130007677455
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-29s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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