介護現場における認知症の行動・心理症状 (BPSD) に関する行動コンサルテーションの仕組み作り: フローチャート化した手順の適用可能性に関する事例的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Behavioral consultation system for behavioral and psychological symptoms of dementia(BPSD) in elderly care settings: Case study on protocol feasibility using a flowchart
  • カイゴゲンバ ニ オケル ニンチショウ ノ コウドウ ・ シンリ ショウジョウ(BPSD)ニ カンスル コウドウ コンサルテーション ノ シクミ ズクリ : フローチャートカ シタ テジュン ノ テキヨウ カノウセイ ニ カンスル ジレイテキ ケントウ

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抄録

本研究では,認知症の行動・心理症状(BPSD)の対応について,介護現場における行動コンサルテーション(BC)全体のパターンをふまえた系統的な手順を考案し,フローチャートを開発した。その上で,BPSD がみられる 6 事例に BC を実施し,適用可能性を検討した。BC のパターンは,① BPSD の概況確認で緊急性が認められ,医療機関等の適切な施設へのリファーを勧める,② BL 期の情報収集のみを行う,③介入計画を立案し職員に実施してもらう,④介入計画を実施したが BPSD が軽減せず,介入厳密性の点から問題点を明らかにし改善策を実施するの 4 つを設定した。適用可能性は,各事例の BC の内容が手順のフローチャートに沿いBC のパターンに網羅されていたか,職員から相談された問題が実際に解決したか,上記の③ ④の介入したパターンで実際に標的行動が軽減したかの 3 点を検討した。結果では,6 事例中 5 事例の BC の内容が手順のフローチャートに沿って BC のパターンに網羅されていた。なお該当しなかった 1 事例は,④のパターンで問題が解決せず,標的行動の見直しを要するものであった。また,全事例で相談された問題は解決し,介入により標的行動が軽減したことが職員により確認された。今後は,開発した BC の手順のフローチャートに標的行動の見直しのパターンを加え,頑健な研究デザインにより,その有効性を検証する必要があると思われた。

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