先天性完全側頸瘻の1例

  • 松崎 尚寛
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 井内 寛之
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 大堀 純一郎
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 黒野 祐一
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻感覚器病学耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of congenital complete second branchial fistula

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抄録

先天性側頸瘻は,胎生期における鰓性器官の発生異常に基づく先天奇形であり,胎生4週頃に出現する鰓溝と咽頭囊が交通遺残したものである。今回われわれは,完全側頸瘻の1例を経験したので報告する。症例は3歳男児,右頸部腫脹を主訴に当科受診した。画像検査(CT,MRI)で皮膚瘻孔部から瘻管の同定が可能で,胸鎖乳突筋前縁に沿って走行し,総頸動脈分岐部よりさらに上方に伸びて徐々に細くなっていた。全身麻酔下に瘻管摘出術を施行した。step ladder incision法に準じて皮膚を切開し,瘻管が細くなっている部分は4-0ナイロンをガイドに剥離した。瘻管は口蓋扁桃下極に開口していたため口蓋扁桃摘出術を行い,瘻管を完全摘出した。術後3年経過するが明らかな再発は認めていない。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 30 (1), 61-65, 2020

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

参考文献 (2)*注記

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