きのこ原木林における放射性セシウムと安定同位体セシウムの動態

  • 三浦 覚
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所震災復興・放射性物質研究拠点
  • 金指 努
    福島大学環境放射能研究所
  • 長倉 淳子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域
  • 伊東 宏樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
  • 平井 敬三
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Dynamics of radioactive cesium and stable isotope cesium in mushroom log forests

説明

<p>きのこ原木林における放射性セシウム動態への関心が高まっている。福島県田村市都路町の約10km四方の範囲から40林分の原木林を調査し、採取が容易な当年枝を原木利用部位の指標として、当年枝のK、Cs-137、Cs-133と土壌の交換性K、Cs-137、Cs-133との関係を明らかにした。当年枝のCs-137とCs-133は、土壌の交換性Kと非線形で逆比例の関係があり、土壌の交換性Kが1/10程度減少すると、当年枝のCs-137とCs-133は100倍程度増加した。一方、当年枝のK濃度は土壌の交換性K、Cs-137、Cs-133濃度に関わらず、ほぼ一定の値を示していた。この結果は、土壌の交換性Kが少ないとCs-137あるいはCs-133が相対的に多く吸収され、CsはKと吸収競合の関係にあることを示している。ただし、土壌中の交換性のCs-133濃度はCs-137濃度の10万倍程度ある。これを考慮すると、原木林におけるCs吸収は土壌中の交換性Cs-133に支配されていると考えられ、森林内のCs-137の挙動を理解するにはCs-133動態も合わせて解析することが有用である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390285300178313472
  • NII論文ID
    130007880612
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_321
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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